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C 〜アートの灯(ともしび)〜 ポート アート&デザイン津山2021.3.12~3.27

大正時代にできたレトロな赤煉瓦の建築,元銀行の支店,そこで4者それぞれのアートを展開しました。 搬入後,館長の飯綱さんを含めみんなで一緒に夕食をいただきながら,話題も弾み楽しいひと時でした。

初日と最終日は作家みんな在廊で貴重な時間を過ごさせていただきました。


津山での企画展においでいただきありがとうございました。 終わって、余韻に浸る毎日でした。

ずっと気にかけてくださっていた館長の飯綱さまをはじめ明るく優しいスタッフの皆さま、プロデューサー兼出品作家である発想豊かなMakoさま、アグレッシブに活躍されていてタイムリーに声をかけてくださるコウブンさま、伝統と技が輝く憧れの鉄の職人三暁の皆さま…本当にありがとうございました。これまで体験してきた個展やグループ展では味わえない感覚でした。勉強になりました、楽しかったです

そして、たくさんの方に会場においでいただき、会話させていただく中で、いろいろ刺激をもらい、エネルギーを充電することができました。次に何をするべきかも導いていただきました。素敵な出会いに感謝です。ありがとうございます。 まだまだの私ですが、これからも前進できるように頑張ります! これからもよろしくお願いいたします (*^_^*)

​C 〜アートの灯(ともしび)〜 会期: 2022年3月12日[土]〜27日[日] 会場: ポート アート&デザイン津山     (岡山県津山市川崎823) 時間:10:00〜18:00 (入館は17:30まで)    *最終日は15:00まで 休館:毎週火曜日、3月23日[水] 作家在廊日: 3月12日[土]、27日[日]

<参加作家>

ヨシダコウブン http://yoshidakoubun.com

<参加企業>
















(プロデューサー 右下誠さんのSNSより)

"C"を指標に、館内の4つの部屋に分かれ、独自の個展が各部屋で繰り広げられます。

4つの部屋を「定点の間」「感覚の間」「抱擁の間」「誘い(いざない)の間」と名付けました。

館内を回り、それぞれの空間を楽しんで頂ければ幸いです。

アートの役割を信じて。



(館長 飯綱洋平さんのSNSより)

現在、ポート アート&デザイン津山で開催中の「C〜アートの灯」展についての論評を、美術批評をされれいる関竜司さんが書いてくださいました。あたたかい眼差しで書いてくださっています。ありがとうございました。ぜひご覧ください。

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「C〜アートの灯」展 (PORT ART&DESIGN TSUYAMA:岡山県津山市)

関 竜司(日本SF作家クラブ会員・美術批評)

 PORT ART&DESIGN TSUYAMA(岡山県津山市)で「C〜アートの灯」展が開かれている。ヨシダコウブン、三桝明子、右下誠、株式会社・三暁の力作が、右下誠プロデュースの形で展示されている。

 ヨシダコウブンは、童話の絵本に出てくるような奇妙で愛らしい動物たちのお面や置物を制作し続けている。以前は、ハ虫類のもつ皮膚のぬめりや哺乳類にはない独特の動きにひかれていたようだが、近年は淡い白とピンクの彩色を生かした砂糖菓子のような作品を制作している。もしかすると春らしい色彩を意識した作品を出品されたのかもしれない。ハ虫類・鳥類のもつ直観的で野生的な感覚にひかれつつも、そこにユーモラスで暖かみのある物語世界を感じさせるところにヨシダ氏の作品世界の豊かさ・可笑しみがある。個人的には、少し大きめの置物が重量感もありオブジェとして印象に残ったが、なかなか制作するのが難しい大きさのようだ。

 三桝明子の西洋風の木彫は、妖艶さを湛えながら繊細な処理をされた体のライン、肌理の細かい肌に特徴がある。ヴェネツィアのカーニバルに影響を受けたという仮面や帽子を被った人物たちは、錬金術、占星術に関わっている魔術師のようにも見える。古来、果物や穀物を生み育てる大地や地面には呪術的力が宿るとされた。西洋でも東洋でも、旅人は旅籠でまず足を洗うことを習慣としていたが、それも足に憑いた悪霊・魔力を払うためだった。三桝氏の大地に沈み込んだ彫刻は、大地に根差した呪力を暗示しているように感じる。またヴェネツィアという街に色濃く残るビザンチン美術やイスラム圏の呪術的な伝統も反映しているだろう。一方で線的な体のライン・肌理の細かい肌の処理は、日本女性らしい繊細な感性を感じさせ、どちらかというとフランスのゴシック彫刻を思わせる。手を差し出した女性の彫刻が、法隆寺の百済観音をモデルにしているというのも面白い発見で、三桝氏の繊細な感受性を再確認できた。

 右下誠のポップなデザイン調のアートにも魅かれるものがあった。単純でミニマルなイメージが迷いなく頭に入ってくる作品は、優れた記号的感性を備えていると言わざるを得ない。右下氏とお話する中でTシャツやスウェットのデザインをしていた旨、お聞きしたが、ポップカルチャーの中で大切な分かりやすさ、直観的・感覚的なメッセージ性をデザインの表現で学ばれたのかもしれない。また現代のポップな表現に付随しているどこか不安で影を帯びた感覚(「不幸な意識」(ヘーゲル))が、完全に払拭されている点も印象に残った。右下氏の心の中で、現代社会の喜びや不安が弁証法的に昇華され、右下氏固有の端的なデザインに結実しているのかもしれない。アンディ・ウォーホルなどよりも、よりポップで心に刺さる表現だった。

 株式会社・三暁は、広島県鞆の浦で受け継がれてきた錨の製造技術を継承することで、肌ざわりと重みのある高品質な鉄製品、家具を展示していた。特に鍛造の技術によって生み出されたフライパン、アイアントレイ、テーブル、スツールは、手仕事でしか味わえない風合いを感じさせる。また部屋の中央に堂々と展示された巨大な錨も存在感のあるオブジェとして鑑賞者の眼をひいていた。100年以上脈々と続いてきた鍛造錨のかっこよさを引き継ごうとする三暁(ブランド名:TAonTA)の挑戦を、今後も応援したい。

 「C〜アートの灯」展に限らずPORT ART&DESIGN TSUYAMAでは、毎回、館長の飯綱洋平氏の鋭い感性と美意識を反映した優れた展覧会が開催されている。今後もPORT ART&DESIGN TSUYAMAの展覧会から目が離せない。「C〜アートの灯」展は、2022年3月12日(土)から27日(日)まで同ギャラリーで開かれている。(2022年3月14日)


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